心理生理学(読み)しんりせいりがく(英語表記)psychophysiology

翻訳|psychophysiology

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

心理生理学
しんりせいりがく
psychophysiology

精神生理学とよぶ人もいる。心理生理学と生理心理学との関連については、ドイツからアメリカに亡命した心理学者スターンJohn A.Stern(1925― )のように、前者は生体の心理学的条件の変化に対応するその生理学的状態の変動を問題とするのに対し、後者はその逆に、生体の生理学的条件の変化に伴う心理学的状態の変動を研究するものであるとする人もある。実験変数のうえからは明確な区分のようにみえるが、実際の研究の流れではこのような機械的・対比的な分類はしにくいことが多い。またたとえば、情動に伴う心拍や脈波の変動を研究するときは、情動という変数を客観的にみることが目的であって、循環器系の生理学的機能そのものを研究しようというのではない。これらのことから生理心理学と称するほうが適切である。
 これと類似した語に神経心理学neuropsychologyがあり、脳などの神経系の損傷等による生体行動の変動を研究するものに限定する人もいるが、もっと広義に用いる人もいる。異説もあるが、心理生理学、さらに生体内の生化学的変化と心理的活動との対応を研究するchemopsychologyをも包含して生理心理学physiopsychologyと定義づけようとする人もいる。なお、生物心理学biopsychologyの概念については、とくに日本ではあいまいである。[山岡 淳]
『岩原信九郎著『生理心理学』(1981・星和書店) ▽宮田洋・藤沢清・柿木昇治編『生理心理学』(1985・朝倉書店) ▽今村護郎編『講座心理学14 生理学的心理学』(1970・東京大学出版会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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