忍草(読み)シノブグサ

精選版 日本国語大辞典 「忍草」の意味・読み・例文・類語

しのぶ‐ぐさ【忍草】

  1. 〘 名詞 〙 ( 上代は「しのふくさ」 )
  2. 植物しのぶ(忍)」の異名
    1. [初出の実例]「しのふくさの紅葉したるを笛に入れ給へる」(出典:一条摂政集(961‐992頃))
  3. 植物「のきしのぶ(軒忍)」の異名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「わがやどのしのぶぐさおふるいたまあらみふるはるさめのもりやしぬらん〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇二)
  4. わすれぐさ(忘草)」の別称
    1. [初出の実例]「同じ草をしのふくさ、忘れ草といへば」(出典:大和物語(947‐957頃)一六二)
  5. ( 「偲種」の意 ) 思い慕う原因となるもの。心ひかれる思いのたね。
    1. [初出の実例]「石(いは)に生ふる 菅(すが)の根取りて 之努布草(シノフくさ) はらへてましを ゆく水に みそぎてましを」(出典:万葉集(8C後)六・九四八)
  6. 苔類の植物。垣衣。〔本草和名(918頃)〕

しのび‐ぐさ【忍草】

  1. 〘 名詞 〙 思い慕う原因となるもの。心ひかれる思いのたね。しのぶぐさ。
    1. [初出の実例]「行くさきの忍ひ草にもなるやとて露のかたみにおかんとぞ思ふ」(出典:歌仙家集本元輔集(990頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「忍草」の解説

忍草 (シノブグサ)

植物。ウラボシ科の常緑多年草,園芸植物,薬用植物。ノキシノブの別称

忍草 (シノブグサ・シヌビグサ;シヌブグサ)

植物。シノブ科の落葉多年草,園芸植物。シノブの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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