悪法論(読み)あくほうろん

百科事典マイペディアの解説

悪法論【あくほうろん】

正義に反する法律(〈悪法〉)に,法としての規範的拘束力を認めるかどうか,という法哲学上の問題。法実証主義は〈悪法も法である〉と認める。アメリカ独立宣言の〈革命権〉や,フランスの人権宣言の〈圧制への抵抗〉などの規定に示されているように,近代自然法思想の基本的立場は悪法に対する抵抗権を認めるが,法的安定性の要請からある程度は悪法と妥協すべきだという議論もある。ナチスのユダヤ人立法や日本の治安維持法などの経験から,第2次大戦後あらためて悪法論がクローズ・アップされた。
→関連項目確信犯法(法律)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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