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悪法 アクホウ

デジタル大辞泉の解説

あく‐ほう【悪法】

(‐ハフ)
㋐悪い方法。
㋑国民のためにならない悪い法律。「悪法に苦しむ国民」
(‐ホフ) 人を惑わす悪い宗教。
「―をとく釈迦ならば何とて提婆(だいば)は似せけるやらん」〈浄・用明天王

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世界大百科事典 第2版の解説

あくほう【悪法】

手続上は合的に成立したものであるが,その内容が正義や善に反するとされる法律を言う。このような法律が従うに値するものであるか否かについて,〈悪法も法であるか〉という問題が生ずる。この点については,古来自然法論と法実証主義とが対立してきた。前者は多くの場合実定法を超越する理念や価値が客観的に存在するとし,それに反する実定法はおよそ法たる資格のないものであり,したがって,それに対しては不服従が自然権としてまた義務として肯定されるとする。

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大辞林 第三版の解説

あくほう【悪法】

〔歴史的仮名遣い「あくはふ」〕
人民を苦しめる、悪い法律。
悪い方法。たちの悪いやり方。 「心にもねえ-も、おまはんゆゑなら身を粉にしても/人情本・梅児誉美
〔歴史的仮名遣い「あくほふ」〕 悪い宗教。 「 -をとく釈迦ならば、何とて提婆は似せけるやらん/浄瑠璃・用明天皇」
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

悪法
あくほう

一般に法の理念にもとる法と解されるが、ソクラテスの裁判をはじめ、悪法への服従義務の問題をめぐって古くから論じられてきた。ソクラテスは、自分はなにも悪いことはしていないと思っていたのに、死刑の判決を受けて、友人の脱獄の誘いを断って、自ら毒杯を仰いだ。これは「悪法も法なり」Dura lex, sed lex(ラテン語)という考え方を実践したものといわれる。悪法に対する考え方には次のようなものがある。(1)「悪法は法でない。これに対しては抵抗権がある」という自然法論にたった考え方。(2)「悪法は悪いが、人間は自分に都合の悪いことを悪いと思いがちで、かってな抵抗を許すと、無秩序となるから、抵抗は慎重にすべきである」という考え方。(3)「何が善で何が悪かに客観性はないから、客観的な意味での悪法は存在しない」とする考え方、などである。なお、民主主義は、表現の自由と参政権によって、国民が悪法と思うものを、合法的に変革する機能をもつ制度であるといわれる。[長尾龍一]
『穂積陳重著『法窓夜話・上』(岩波文庫)』

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