悪風(読み)アクフウ

デジタル大辞泉 「悪風」の意味・読み・例文・類語

あく‐ふう【悪風】

悪い風俗習慣。「悪風に染まる」⇔美風
害をもたらす風。暴風
[類語]悪習悪弊弊風弊習陋習

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「悪風」の意味・読み・例文・類語

あく‐ふう【悪風】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 海上などで荒れ狂う大風。暴風。嵐。
    1. [初出の実例]「昔、一人の人有り、商の為に船に乗て海に出ぬ。悪風俄に出来て船を海の底へ巻き入る」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
  3. 毒気を含んだ、人にわざわいをもたらす風。また、くさい風や息。
    1. [初出の実例]「悪風を吹きかけ、眼(まなこ)もくらみ、心も乱れて」(出典:謡曲・舟弁慶(1516頃))
  4. 弊害の多い悪い風俗・風習。悪習。悪弊。⇔良風美風
    1. [初出の実例]「当時の風俗、金さへ有ば何事もなると云事、極りたる悪風也」(出典:政談(1727頃)三)

あしき【悪】 風(かぜ)

  1. 悪い風。はげしく吹き、害を与える風。暴風。
    1. [初出の実例]「天下の公民(おほむたから)の取り作れる奥つ御歳を、悪風(アシキかぜ)(あら)き水に相(あ)はせ賜(たま)はず」(出典:延喜式(927)祝詞(出雲板訓))

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