朝日日本歴史人物事典 「慶紀逸」の解説
慶紀逸
生年:元禄8(1695)
江戸中期の俳人。江戸の人。別号,四時庵,自生庵など。椎名氏。名は件人。通称兵蔵。江戸幕府の御用鋳物師の次男として生まれ,椎名土佐と称する。俳諧は立羽不角,三田白峰,稲津祇空に学び,元文5(1740)年(榎本)其角座の一列に加わり,江戸座宗匠としての点者活動に入った。寛延3(1750)年高点付句集『武玉川』を刊行し,好評を博して続刊を重ね(1761年刊の15編まで紀逸選),川柳の生まれるべき素地を作った。ほかに『黄昏日記』『歳花集』などの編著がある。なお,兄椎名伊予(俳号許人),妻れん女も俳諧をたしなんだ。<参考文献>『誹諧武玉川』全4巻
(加藤定彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報