白峰(読み)しらみね

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石川県南部,白山市南端にある旧村域。白峰村は 2005年松任市,美川町,鶴来町,河内村,吉野谷村,鳥越村,尾口村と合体して白山市となった。東は岐阜県,南は福井県に接する。白山の西斜面にあり,手取川上流域を占める。古くから谷峠を越えた勝山盆地とのつながりが強く,近世幕府天領で陣屋は武生 (福井県) に置かれた。出作 (でづくり) で知られる焼畑農耕や炭焼きが行なわれ,白山紬竹細工が特産品であった。深雪地であるため,厚壁造で大背戸を設けた2階建て民家が発達した。そのうち旧小倉家住宅は国の重要文化財で,重要有形民俗文化財の「白峰の出作り民家と生活用具」とともに県立白山ろく民俗資料館に保存されている。市ノ瀬には白山温泉があり,白山登山の起点となっている。地域の大半は白山国立公園に属する。手取川流域のケイ化木産地,太田の大トチノキは国の天然記念物。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石川県南端、石川郡にあった旧村名(白峰村(むら))。2005年(平成17)松任(まっとう)市、石川郡美川(みかわ)町、鶴来(つるぎ)町、河内(かわち)村、吉野谷(よしのだに)村、鳥越(とりごえ)村、尾口(おぐち)村と合併し、白山市(はくさんし)となり、市の南部に位置する。国立公園の白山御前峰(ごぜんがみね)山頂(2702メートル)を含む白山連峰の西麓(せいろく)、手取(てどり)川の源流部に位置し、深雪地帯である。岐阜・福井両県に接し、国道157号が通じる。近世、白山の杣取(そまとり)権をめぐり加賀、越前(えちぜん)の社寺が争い、加賀の白山麓18か村は天領となったが、その中心は牛首(うしくび)(旧、白峰村白峰)であった。近世以降、焼畑による出作(でづく)り耕作が盛んで、夏は山に住み、冬は白峰、桑島(くわじま)などの谷底の大集落で暮らす者が多かった。出作りでは雑穀をおもにつくったが、養蚕が現金収入源で、明治初期には近代的製糸工場もでき、第二次世界大戦中まで続いた。現在、杉の植林、ナメコ栽培を行い、牛首紬(つむぎ)を特産する。建設業従事者も多い。白山登山口の一つで、スキー場、温泉がある。国の天然記念物の珪化木(けいかぼく)、白山温泉、手取川ダム湖、白山下山仏などがあり、県立白山ろく民俗資料館は旧尾田家の出作り小屋、出作り生活用具(国の重要有形民俗文化財)、旧小倉家住宅(おぐらけじゅうたく)(国指定重要文化財)などを展示保管する。「かんこ踊」は国の選択無形民俗文化財。

[矢ヶ崎孝雄]

『『白峰村史』全3巻(1959~1991・白峰村)』


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