成劫(読み)じょうごう

精選版 日本国語大辞典 「成劫」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ごう ジャウゴフ【成劫】

〘名〙 (「じょうこう」とも) 仏語仏教世界観で、世界生成消滅を時間的に説明するときに立てる成、住、壊、空または壊、成、中、大または増、減、成、壊の四劫一つ。世界が生成されていく時期
本朝文粋(1060頃)一三・為空也上人供養金字大般若経願文〈三善道統〉「在善悪之因縁、成劫壊劫、前身後身、禽獣魚虫、何物非流転之父母
※日蓮遺文‐諫暁八幡抄(1280)「成劫の始には、先生の果報いみじき衆生生来る」

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デジタル大辞泉 「成劫」の意味・読み・例文・類語

じょう‐こう〔ジヤウコフ〕【成×劫】

《「じょうごう」とも》仏語。四劫しこうの第一。この世界に、山河などの自然と生物とが生まれ出る時期。最初の劫。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「成劫」の意味・わかりやすい解説

成劫
じょうごう
vivarta-kalpa

仏教用語。世界の生成,破壊過程を4期に分けるうちの一つ。まったく空漠ののちにやってくる世界成立の時期。微細な風が起ってから自然世界が成立し,さらに生物世界が完成するまでの期間をいう。 (→四劫 )

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世界大百科事典(旧版)内の成劫の言及

【劫】より

…〈中劫antara‐kalpa〉といういい方があるが,それは単に劫というのと同じである。〈成劫(じようこう)〉〈住劫(じゆうこう)〉〈壊劫(えこう)〉〈空劫(くうこう)〉は宇宙の生滅の1サイクルを構成するが,それぞれ20中劫からなる。〈大劫〉は成住壊空の1サイクル,すなわち80中劫からなる。…

※「成劫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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