承香殿(読み)しょうきょうでん

精選版 日本国語大辞典 「承香殿」の意味・読み・例文・類語

しょうきょう‐でん ショウキャウ‥【承香殿】

平安京内裏殿舎一つ。内裏中央、仁寿殿の北、常寧殿の南にあった。女御などが居住。しょうこうでん。そきょうでん。
日本紀略‐天慶三年(940)一〇月七日「於承香殿、有菊花宴
※枕(10C終)一四二「承香殿の前のほどに、笛吹き立て拍子うちて遊ぶを」

そきょう‐でん ソキャウ‥【承香殿】

※宇津保(970‐999頃)国譲下「かくて、日の宮はそきゃう殿に、故大臣殿の昭陽殿〈略〉に住ませ給ふ」

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デジタル大辞泉 「承香殿」の意味・読み・例文・類語

しょうきょう‐でん〔シヨウキヤウ‐〕【承香殿】

平安京内裏十七殿の一。内裏中央、仁寿殿じじゅうでんの北にあり、内宴御遊などが行われた。しょうこうでん。そきょうでん。

そきょう‐でん〔ソキヤウ‐〕【承香殿】

しょうきょうでん(承香殿)」に同じ。
「女御更衣参り給へり。その夜は―の御とのゐなり」〈宇津保・蔵開中〉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「承香殿」の意味・わかりやすい解説

承香殿
しょうきょうでん

「しょうこうでん」とも読む。平安宮内裏(だいり)の殿舎の名。内裏中央仁寿殿(じじゅうでん)の北にある。檜皮葺(ひわだぶ)きで東西7間、南北2間の母屋(もや)の四面に廂(ひさし)がある南向きの建物。中央を通る馬道(めどう)で、東西に分けられる。北廂の東の片廂廊(かたびさしろう)には、天皇の書物などを管理する内御書所(うちのごしょどころ)があった。母屋は女御(にょうご)などの居所で、西廂では内親王の裳着(もぎ)の式が行われたこともある。庭には菊、梅などが植えられ、花の宴が催されたりした。

[吉田早苗]

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