精選版 日本国語大辞典 「掛目」の意味・読み・例文・類語
かけ‐め【掛目】
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繭の売買取引における価格算出の乗数。単に掛けともいう。繭は蚕品種などにより同じ重量の繭から同一の重量の生糸が得られるとは限らないところから案出された表示方式で,1kgの生糸を作るのに必要な生繭(なままゆ)の価格を円単位で表す。掛目の算出方法には繭の生産費から計算する生産掛目,生糸価格から計算する消費掛目などがあるが,最近は,繭の出回り時期を中心とした一定期間の生糸価格の中に占める繭生産費と生糸加工販売費の割合を検討し,繭生産費の占める割合を生糸価格に乗じて算出する比例配分方式が使われている。例えば,繭生産費の占める割合が80%で,生糸価格が1万4000円であれば,14000円×0.8=11200円が掛目である。したがって,この場合の生繭1kgの価格は,繭の取引の際に行われる繭検定によって決められた生糸量歩合に掛目を乗じて求められる。生糸量歩合が18.5%であると,11200円×0.185=2072円となる。
執筆者:小河原 貞二
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