揖す（読み）ユウス

デジタル大辞泉

ゆう・す〔イフす〕【^×揖す】

［動サ変］上体をかがめて会釈する。また、あいさつする。
「某氏を―・し、之これを送り出だせしとなり」〈中村訳・西国立志編〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ゆう‐・すイフ‥【揖】

1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 上体を前に傾けて会釈する。また、会釈する。挨拶(あいさつ)する。
   1. [初出の実例]「凡太政官考選文者〈略〉次少納言弁降、就_レ版揖而退出」(出典：延喜式（927）一一)
   2. 「高重は庭に立ちながら、左右に揖(ユウ)して問て曰く」(出典：太平記（１４Ｃ後）一〇)
2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
   1. ① 上体を前に傾けて、挨拶し、相手に敬意を表わす。
      1. [初出の実例]「親方を揖し、直に壁間に向て紙を黏着し去る」(出典：江戸繁昌記（1832‐36）二)
   2. ② 挨拶するとき、両手を前に組んで、その手を動かす。
      1. [初出の実例]「良有て双鬟の童女出て、方士を内へいざなひ入る。方士手を揖(ユウ)して、金闕の玉の廂に跪く」(出典：太平記（１４Ｃ後）三七)

いっ‐・す【揖】

1. 〘 自動詞 サ行変 〙 中国古代からある敬礼の一つ。両手を胸の前で組み、上下または前後に動かして敬意を表わす礼をする。転じて、一般に敬礼、会釈することにいう。揖(ゆう)す。
   1. [初出の実例]「方士いっして皇帝安寧を問ふ」(出典：曾我物語（南北朝頃）二)

出典　精選版 日本国語大辞典