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敵対的買収と防衛 てきたいてきばいしゅうとぼうえい

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知恵蔵2015の解説

敵対的買収と防衛

2005年の米国系投資ファンドスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(SPJSF)による染色大手ソトーユシロ化学工業、サッポロホールディングスブルドックソースに対する敵対的TOB(株式公開買い付け)は、日本企業の経営者に改めて敵対的買収に対する防衛の必要性を意識させる結果となった。ポイズンピル(毒薬条項)はまさにそうした敵対的買収に対する防衛策の1つとして目下、注目されている。ポイズンピルは、買収者が一定割合の議決権(一般的には2割程度)を取得した時点で、買収者以外に市場価格より安く株式を引き受ける権利(新株予約権)を自動的に発行することによって、買収側の議決権割合を引き下げ、所有株の価値を低下させ、さらには支配権を獲得するために必要となる買収資金を大幅に引き上げる仕組みである。これは1980年代初頭アメリカで考案され、その後さまざまな改定を加え今日のポイズンピルにと姿を変え、発展を遂げてきている。 このポイズンピルの導入については、株式会社の根幹に触れる根深い問題があるとともに、その普及については各国ともさまざまな事情から、まちまちである。敵対的買収には非効率的で経営力に劣る経営者を排除することで被買収企業の株主価値を引き上げるという面があり、その場合敵対的買収によって被買収企業の株主価値は毀損(きそん)されるどころか増大される。実際、英国やドイツではポイズンピルによる防衛は禁止されており、本家の米国でさえ多くの企業で導入済みとはなっているもののポイズンピルの発動はほとんど例外的なものにとどまっている。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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