文は遣りたし書く手は持たず(読み)ふみはやりたしかくてはもたず

精選版 日本国語大辞典 の解説

ふみ【文】 は 遣(や)りたし=書(か)く手(て)は持(も)たず[=我(わ)が身(み)は書(か)かず]

  1. 無筆のために恋文を書き送ることができず、また、恥ずかしくて代筆をたのむわけにもいかない。
    1. [初出の実例]「文はやりたし 我が身は書かず 物をゆへかし 白紙が」(出典:歌謡・吉原はやり小歌総まくり(1660頃)雲井のろうさい)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 の解説

文は遣りたし書く手は持たず

恋文を書いて送りたいが、無筆のため自分では書けない。また、恥ずかしくて代筆を頼むこともできない。

[解説] 「閑吟集」のほか、「隆達節歌謡」にも類似表現二種が認められ、歌謡の中で伝承されてきたものと思われます。識字率の低かった時代多くの人が共感を寄せた表現で、近世には「やるぞ白紙文と読め」などと続けました。かつては、実際に白紙を送ることも行われたといいます。

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