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文飾主義 ぶんしょくしゅぎculteranismo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文飾主義
ぶんしょくしゅぎ
culteranismo

17世紀初期のスペインの詩人ゴンゴラ・イ・アルゴテとその一派の表現様式。「ゴンゴリズム」ともいう。スペイン南部アンダルシアの豊潤な風土に育ったセビリア派の詩風を発展させたもの。古典主義の静的な均整美にあきたらなかったゴンゴラは,多様な語彙,造語,難解な隠喩,あるいはラテン語から借用した語順転置などの方法によって従来の詩や言語の原理を破壊し,新たに,色彩と音楽性に富んだ多極的,流動的な詩世界を開いた。これはあくまでも詩の外面的な形式美を追求したもので,1612年に彼の詩篇『ポリフェモとガラテアの寓話』が発表されると,内容を重視し簡潔な言語表現を主張するケベド・イ・ビリエガスグラシアン・イ・モラレスの「奇想主義」の陣営から激しい攻撃を受け,13年の夏を頂点にスペイン文学史上まれな論戦が繰広げられた。彼の死後この様式は難解なものの代名詞として扱われ,無視されてきたが,20世紀に入り,ヨーロッパの詩の革新運動に刺激されたスペインの若い詩人たちにゴンゴラを見直そうとする機運が高まり,1927年の 300年忌には彼の後継者を自認する詩人たちのグループ「1927年の世代」が誕生した。その表現様式は「ネオ・ゴンゴリズム」とも呼ばれ,P.サリナス,J.ギリェン,ガルシア・ロルカ,そしてゴンゴリズムの総合的な研究で知られる D.アロンソらがそのメンバー。

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