朝日日本歴史人物事典 「新居日薩」の解説
新居日薩
生年:天保1.12.26(1831.2.8)
明治前期に活躍した日蓮宗(一致派)初代管長。上野国山田郡桐生(群馬県桐生市)の織物問屋の6男として生まれ,天保10(1839)年に出家。長じて加賀国金沢(石川県)の充洽園に入って優陀那日輝から開明的な宗学を学んだ。明治維新(1868)後は,東京にあって諸宗と連携して政府の国民教化政策に協力し廃仏の嵐のなか,苦悶する宗門の再建を図るとともに,東京二本榎(港区高輪)の日蓮宗宗教院(のちの大教院)を拠点に宗門子弟の育成に当たった。また,明治7(1874)年に初代管長に就任してからは,組織整備と人材抜擢を行って宗門の近代化に努めた。
(西山茂)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報