新現実派(読み)シンゲンジツハ

デジタル大辞泉 「新現実派」の意味・読み・例文・類語

しんげんじつ‐は【新現実派】

第三次・第四次「新思潮」に拠った芥川竜之介菊池寛ら、「奇蹟」に拠った葛西善蔵広津和郎ら、また、宇野浩二佐藤春夫室生犀星など、大正中期に文壇に登場した一群作家総称作風思想のうえで現実的あるいは現実主義的であった。狭義には新思潮派をさす。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「新現実派」の意味・読み・例文・類語

しんげんじつ‐は【新現実派】

〘名〙 大正中期頃から大正末期にかけて活躍したさまざまな傾向の作家の総称。それ以前の自然主義や理想主義、耽美主義にあきたらず、多彩な個性の独自性により現実を新しい認識によって再構成することをめざした。広義には「新思潮」によった芥川龍之介、菊池寛、久米正雄、豊島与志雄らをはじめ、早稲田派系の「奇蹟」によった広津和郎、葛西善蔵、谷崎精二やそれに近い宇野浩二、三田派から出た佐藤春夫やそれに近い室生犀星らをさすが、狭義には主として「新思潮」系の芥川龍之介以下をさす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報