新羅琴(読み)シラギゴト

デジタル大辞泉 「新羅琴」の意味・読み・例文・類語

しらぎ‐ごと【羅琴】

新羅楽の主要楽器として伝来した12弦のそう。長さ約5尺(約1.5メートル)。今日の朝鮮伽倻琴かやきん正倉院奈良時代のものが伝存する。

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精選版 日本国語大辞典 「新羅琴」の意味・読み・例文・類語

しらぎ‐ごと【新羅琴】

  1. 新羅琴〈奈良県正倉院蔵〉
    新羅琴〈奈良県正倉院蔵〉
  2. 〘 名詞 〙 ( 古くは「しらきこと」 ) 新羅楽に用いられた琴。一二弦で、各弦に琴柱(ことじ)を立てる。長さ約五尺(約一・五メートル)。朝鮮の伽倻琴(かやきん)が伝来したもの。正倉院に奈良朝の実物三面が残る。しんらごと。〔正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳
    1. [初出の実例]「親より給はりし新羅琴(シラギコト)跡付に、長国(をさくに)国宗大小はなさず」(出典浮世草子武道伝来記(1687)六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新羅琴」の意味・わかりやすい解説

新羅琴
しらぎごと

三韓楽中,新羅楽に用いた 12弦のツィター属弦鳴楽器。朝鮮では伽 倻琴 (かやきん) といい,尾端部に「羊耳」と呼ばれる緒止めを差込んであるのが特徴。日本では新羅楽の代表楽器として新羅琴師とともに渡来したので新羅琴と呼ばれ,平安時代初期まで用いられた。正倉院北倉に2個のほぼ完全な形のものと,南倉に1個の残欠があり,この古制は現在朝鮮の雅楽の伽 倻琴に伝わっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「新羅琴」の意味・わかりやすい解説

新羅琴
しらぎごと

伽倻琴

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世界大百科事典(旧版)内の新羅琴の言及

【伽倻琴】より

…朝鮮では新羅の真興王代(540‐576)に加耶の楽師于勒(うろく)が伽倻琴曲12曲を作したとの所伝がある。また9世紀に日本に伝来したものが新羅琴として正倉院に残存する。民俗楽用は,全長約144~148cm,幅約22~26cmでやや小型で,羊耳形はなく箱作りの胴。…

【箏】より

…全長166cm,音域は2オクターブにわたり,5音音階に調弦する。 朝鮮の代表的な箏類である伽倻琴は12弦で,新羅で盛んであったことから日本に伝えられたものを新羅琴(しらぎごと)と称し,正倉院に保存されている。伽倻琴は,《三国史記》によれば,6世紀に伽倻国嘉実王が中国の箏を模して作り,楽人于勒(うろく)が12曲を作曲したという。…

【朝鮮音楽】より

…伽倻国の楽人于勒(うろく)は,嘉実王によって作られた伽倻琴のための楽曲を作ったが,伽倻国が滅びると,新羅の真興王(在位540‐576)に仕えたと《三国史記》の〈楽志〉にある。しかし,この時代,すでに今日の伽倻琴と大差ないものが作られたと考えられ,新羅琴として日本に伝えられた楽器は,今日なお正倉院に残存している。(3)統一新羅時代 三国の音楽を吸収し,さらに発展して多様化するとともに,唐の楽舞も移入した。…

※「新羅琴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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