新羅楽(読み)シラギガク

デジタル大辞泉 「新羅楽」の意味・読み・例文・類語

しらぎ‐がく【羅楽】

三韓楽の一。上代新羅から日本に伝来した楽舞楽器新羅琴・笛などを用いたが、平安時代高麗楽こまがくに編入された。

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精選版 日本国語大辞典 「新羅楽」の意味・読み・例文・類語

しらぎ‐がく【新羅楽】

  1. 〘 名詞 〙 三韓楽の一つ。新羅琴と笛を用い、舞を伴うもの。允恭天皇四一二‐四五三)のころ、新羅の国から伝来したといわれ、平安初期ごろまで、雅楽寮に伝えられていた。〔三国史記‐志第一・楽〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新羅楽」の意味・わかりやすい解説

新羅楽
しらぎがく

三韓楽の一つ。朝鮮半島の新羅から飛鳥奈良時代に伝来した音楽。今日のいわゆる高麗楽 (こまがく) の母体となった。 460年頃允恭天皇の葬儀に新羅の音楽家が種々の楽器をもって多数参列し,泣きながら歌舞を奏したという記録が最も古い。伝来当時の音楽の実態未詳。楽器としては新羅琴が知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の新羅楽の言及

【高麗楽】より

…元来は古代の日本に伝来した大陸系諸楽舞のうち,高句麗からのものを高麗楽と称した。この高麗楽は,新羅楽・百済楽とあわせて三韓楽と総称され,現行の高麗楽の母体となったものである。高句麗直伝を意味する〈高麗楽〉の用例は,雅楽寮の記事に多くみられる。…

【三韓楽】より

…日本に伝えられた朝鮮半島3国(新羅,百済,高句麗)の楽舞。それぞれ新羅楽,百済楽,高麗楽(こまがく)という。伝来の経緯は定かでないが,《日本書紀》は允恭天皇の葬礼に際して新羅王が楽人80名を遣わしたと伝える。…

【日本音楽】より

…たとえば《古事記》の大部分は,暗唱され,朗唱された長編の叙事歌謡であったとみられる。この期の末には,大陸から新羅楽(しらぎがく)や百済楽(くだらがく)が伝来したが,それらは来日外人によって奏されただけで,日本人が学ぶようなことはなかったようである。
[第2期]
 大陸音楽輸入時代(7~8世紀) 612年(推古20)百済の味摩之(みまし)がきて,少年たちに伎楽(ぎがく)を教えた。…

【舞楽】より

…このような外来楽舞の全盛期は,おそらく752年(天平勝宝4)の東大寺大仏開眼供養あたりであったろう。9世紀初頭までに伝わった外来楽舞としては,唐楽,高麗楽,百済楽,新羅楽,度羅楽(とらがく),林邑楽(りんゆうがく),呉の伎楽などが知られ,このほか渤海楽(ぼつかいがく)の記事もある。 9世紀の半ばごろから,これら外来音楽の内容を取捨整備し,あわせて日本人の好みに合った音楽へ改変する,いわば外来音楽の国風化の気運が高まった。…

※「新羅楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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