新表現主義(読み)しんひょうげんしゅぎ

百科事典マイペディアの解説

新表現主義【しんひょうげんしゅぎ】

1980年代に入って欧米で起きた具象的な絵画の復権の動向。英語でNeo Expressionism。米国では〈ニュー・ペインティングNew Painting〉,イタリアでは〈トランスアバングアルディアTransavanguardia〉と呼ばれ,いずれも巨大なキャンバスに奔放な具象的イメージを噴出させた作品が多い。ベルベットに皿をコラージュしたシュナーベル,荒々しい情感を激しいタッチで表現したサロメ,重苦しい第2次大戦の記憶を生々しく蘇らせたキーファー,さまざまな視覚情報を引用しつつ精妙な神秘感を漂わせるクレメンテ,また他にもアメリカのサーレ,ボロフスキー,ドイツのペンク,バゼリッツ,イタリアのキアクッキと,戦後の抽象表現に対抗するかのように多くの画家たちが登場した。既存の美術史上の図像やマス・メディアで流通するイメージを引用し再構成する手法は,1980年代後半に登場してくるシミュレーショニズムの先駆けとなった。

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