新補率法(読み)しんぽりっぽう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「新補率法」の解説

新補率法
しんぽりっぽう

承久の乱(1221)後に新たに任命された地頭の得分についての法定比率。総田畠面積の11分の1の給田畠と1段当り5升の加徴米を地頭の得分とするというもの。新地頭は前任の地頭・下司の得分を継承するのが原則だが,承久の乱後に地頭が任じられた西国の公領荘園では,地頭得分の少ないところやよるべき先例のないところが多く,混乱が生じた。そこで1223年(貞応2)幕府要請による宣旨でこの比率が定められた。幕府はこれをうけて,山野河海の所出物の半分,犯罪人の没収物の3分の1を地頭得分とすることも定めた。得分をこの率法によるか,先例によるかは地頭の選択にゆだねられた。率法による地頭が新補率法地頭,狭義の新補地頭である。

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百科事典マイペディア 「新補率法」の意味・わかりやすい解説

新補率法【しんぽりっぽう】

新補地頭

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旺文社日本史事典 三訂版 「新補率法」の解説

新補率法
しんぽりっぽう

新補地頭の法定得分率。

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世界大百科事典(旧版)内の新補率法の言及

【闕所】より

…たとえば幕府の裁判で有罪となり没収された所領は当然幕府がこれを獲得したが,荘園内部の犯罪は警察権をもつ地頭や荘官が,少なくともその一部を与えられる権利をもっていた。承久の乱後新補された地頭が,いわゆる新補率法によって犯人跡闕所の3分の1を与えられることに定められていたのは有名である。地頭がこの権利をてこにして,荘園内部で不当な検断権を行使した例は多い。…

※「新補率法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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