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新補地頭 しんぽじとう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新補地頭
しんぽじとう

本来は新たに補任した地頭,すなわち新恩の地頭をいう。承久の乱 (1221) 後に補任された新補率法の地頭はその代表的なもの。鎌倉幕府は,乱後院方の所領 3000ヵ所あまりを没収し,論功行賞を行なって勲功のあった御家人地頭職に補任し,田畑 11町ごとに1町の給田反別5升の加徴米山手,川手は領家と折半するという地頭職に対する得分率法を定めた。このような新補率法による地頭を新補地頭と呼び,従来の慣例による得分を得る本補地頭と区別した。この新補地頭の設置により,幕府の権力が全国に及ぶことになり,全国的政権に成長発展することとなった。

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百科事典マイペディアの解説

新補地頭【しんぽじとう】

承久(じょうきゅう)の乱後,鎌倉幕府が没収した朝廷方の土地に新たに設けられた地頭。本補(ほんぽ)地頭に対。前任者の地頭得分に先例がある場合はその先例に従わせたが,前任者の収益内容が特に少なかったり不明であった場合は,新補率法(りっぽう)によって田畑11町ごとに1町の田畑および反当り5升の加徴米(かちょうまい)を与えた。しかし地頭の領主化が進むにしたがって〈新補〉と〈本補〉との区別は意味を失った。
→関連項目式目追加地頭

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世界大百科事典 第2版の解説

しんぽじとう【新補地頭】

鎌倉時代,新たに補任した地頭の意。初めは本領安堵の地頭に対して新恩の地頭を意味した。承久の乱(1221)後には率法にもとづく得分をもって補任された地頭をいうようになる。幕府は承久の乱後に京方罪科人の所領・所職(しよしき)を奪い,新恩の地頭を補任したり,従来地頭が設置されていないところに新設したりして地頭制度の拡大を図った。その際に地頭得分に関し所務の先例がある場合はこれを継承させ,よるべき先例のない場合は得分の率法を定めた。

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大辞林 第三版の解説

しんぽじとう【新補地頭】

承久の乱(1221年)以後、鎌倉幕府が朝廷方の領地を没収して新たに補任した地頭。それ以前の本補地頭に対していう。新補率法地頭。新補。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新補地頭
しんぽじとう

1221年(承久3)の承久(じょうきゅう)の乱ののち、勝利した鎌倉幕府が敗北した朝廷側(京方)から没収した膨大な所領に新しく補置した地頭。その所職(しょしき)や得分(とくぶん)の内容は、在来地頭や下司(げし)が置かれていた所ではそれを継承し、それのない所では一律に11町ごとに1町の給田(きゅうでん)、反別(たんべつ)5升の加徴米、山野河海所出物(さんやかがいしょしゅつぶつ)の国司領家(こくしりょうけ)との折半、犯罪人跡所領3分の1の収得、下地進退(したじしんたい)の禁止などの規準(率法(りっぽう))を定めた。したがって厳密には後者を新補率法地頭とよぶが、のち地頭の支配の拡大に伴ってその差異はしだいに有名無実化した。[義江彰夫]

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世界大百科事典内の新補地頭の言及

【地頭】より

…これには平家没官領や承久の乱における3000余ヵ所の没収地,そのほか畠山,和田,三浦,安達など族滅された諸氏の所領,さらには一般犯罪人跡などが対象とされた。(3)については,承久の乱後に制定された率法に基づく得分を内容とする新補地頭(新補率法地頭)とそれ以外の本補地頭ということになる。ただしかかる本補・新補の区別は時代が下るにつれ混乱し,鎌倉末期の《沙汰未練書》などには〈承久兵乱の時,没収の地をもって宛給所領等の事なり〉とあり,承久の乱後に設置された地頭をすべて新補地頭とする観念が一般化する。…

【寄船】より

…寄船はしばしば貴重な財であったから,その取得をめぐって紛争の起こることが多い。発見者,救出者が慣習的にその取得の権利を有したが,新補地頭は海業得分の一つとして寄船の取得権を公認されている。また紛争回避の意味もあってか,社寺に寄進される例が多い。…

※「新補地頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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