改訂新版 世界大百科事典 「新赤色砂岩」の意味・わかりやすい解説
新赤色砂岩 (しんせきしょくさがん)
New Red Sandstone
旧赤色砂岩に対して,イギリスに分布する新期の赤色岩層につけられた総称。時代的には,二畳紀~三畳紀にまたがるもの。新赤砂岩ともいう。石炭系またはこれより古い地質系統を不整合におおい,海成ジュラ系に不整合におおわれる。下部はドイツの二畳系赤底統に,三畳系の一部は同じくドイツの斑砂(はんさ)統に相当する主として陸成の厚い赤色岩層で,バリスカン造山運動の後造山性堆積物とみなされる。礫層(れきそう)のような粗粒堆積のみでなく,風成の砂,シルト岩層や,ときに岩塩,セッコウのような蒸発岩をはさみ,乾燥・砂漠性気候下の堆積とされる。二畳系に当たる部分は,北方に海成石灰岩,苦灰岩に移化する。化石はごくまれで,原始爬虫類,古い球果類裸子植物,両生類足跡化石などが知られる。日本には,これに相当する陸成層の発達はない。
→旧赤色砂岩
執筆者:加藤 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報