翻訳|dolomite
主として苦灰石からなる白色ないし暗灰色の堆積(たいせき)岩。ドロマイト、ドロストーン、白雲岩(はくうんがん)ともいう。層状岩体として石灰岩に伴って産することが多く、ときには石灰岩に移り変わることがある。また岩塩や石膏(せっこう)などの蒸発岩に伴うこともある。世界各地の各地質時代、とくに先カンブリア時代の地層にその産出が知られているが、現在の海底に堆積している例はない。そのため成因としては、石灰岩として堆積したもののカルシウムCaの一部が、のちにマグネシウムMgによって置換されてできたといわれる。それには、堆積中における石灰質堆積物と海水との反応、堆積後の石灰岩と地下水あるいは熱水溶液との反応が考えられ、その作用は苦灰石化作用とよばれる。日本には苦灰岩はあまり多くないが、層状のものは栃木県佐野市の旧葛生(くずう)町地区に、レンズ状のものは大分県津久見(つくみ)地方に知られており、苦灰石鉱床として採掘されている。耐火材、ガラス、ドロマイトれんが、ドロマイトクリンカー、金属マグネシウムなどの原料にされるほか、砕石や肥料にも利用される。名称は、フランスの地質学者デオダ・ドゥ・ドロミューD. G. de Dolomieu(1750―1801)にちなんで命名された。
[斎藤靖二]
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…混乱をさけるために鉱物名ドロマイトと区別してこの名を用いるが,必ずしも広くは使用されていない。苦灰岩あるいは白雲岩ともいう。ドロマイトを50%以上含む炭酸塩岩をドロストーンに含め,それ以下はドロマイト(苦灰岩)質石灰岩という。…
※「苦灰岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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