日傭取り(読み)ヒヨウトリ

デジタル大辞泉 「日傭取り」の意味・読み・例文・類語

ひよう‐とり【日×傭取り】

日雇いで働くこと。また、その人。

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精選版 日本国語大辞典 「日傭取り」の意味・読み・例文・類語

ひよう‐とり【日傭取・日用取】

  1. 〘 名詞 〙 日雇(ひやとい)を業とする者。ひようにん。
    1. [初出の実例]「日傭取ともに印をなびかせて〈卜尺〉 材木出す山おろしふく〈松臼〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日傭取り」の意味・わかりやすい解説

日傭取り
ひようとり

日傭、日用、日雇(ひやとい)ともいい、日決めの賃稼ぎをいう。江戸時代、主要都市に借屋住いの貧民層として存在し、17世紀後半には在郷町農村に広がっていった。初期には都市で城郭建築・都市建設のため多数の労働力が必要であり、とくに大名は城郭普請(ふしん)に膨大な日傭を使った。かつて豊臣(とよとみ)秀吉農民が都市へ賃仕事に出ることを禁じたが、前期にはこうした禁令は各藩でみられる。しかし都市には相当数の日傭が住んでおり、雑多な仕事に従事していた。鳶口(とびぐち)、車力(しゃりき)、米搗(つ)きなども日傭的な性格として把握された。幕府は都市貧民対策として、17世紀中葉には江戸・大坂などで日用頭(かしら)を置いたり、日用座(ざ)を設け、日用札(ふだ)を発行して、彼らを統制した。

[脇田 修]

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旺文社日本史事典 三訂版 「日傭取り」の解説

日傭取
ひようとり

江戸時代の日雇労働者
日用稼 (ひようかせぎ) ともいい,「日用取」とも書く。仕事は鳶口・車力・米つき・かるこ(問屋などの荷を運ぶ)など力仕事が多かった。江戸では町々より日傭取を管理する日用座にその人別帳を差し出し,そこから日用札をうけ取って登録された者のみ働くことができた。

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