日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本原」の意味・わかりやすい解説
日本原
にほんばら
岡山県北東部、中国山地の那岐(なぎ)連峰南麓(ろく)の高原。勝田(かつた)郡奈義(なぎ)町と津山市東部にまたがる。標高200~400メートルの複合扇状地性台地で、広戸野(ひろどの)、御所野(ごしょの)とよばれていたが、正保(しょうほう)年間(1644~1648)ごろ五兵衛という者が茶店を設けてから日本野または日本原野とよばれるようになったという。水利の不便、火山灰性土壌、広戸(ひろと)風などのため開発が遅れ、明治初期に士族授産事業としての開墾も失敗、1909年(明治42)大部分が陸軍演習場となった。現在、北部は陸上自衛隊演習場。国道53号以南は農地となり、茶、青リンゴ、蔬菜(そさい)栽培や酪農などが行われる。
[由比浜省吾]