奈義(読み)なぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「奈義」の意味・わかりやすい解説

奈義(町)
なぎ

岡山県北東部、勝田郡の町。鳥取県に接する。1955年(昭和30)北吉野、豊田(とよた)、豊並(とよなみ)の3村が合併して成立。国道53号が黒尾トンネルを抜けて鳥取県へ通じている。北部には中国山地の主峰の那岐山(なぎさん)(1255メートル)、滝山(1197メートル)があり、氷ノ山後山(ひょうのせんうしろやま)那岐山国定公園域となっている。山麓(さんろく)一帯日本原(にほんばら)高原で、局地風の広戸(ひろと)風で知られる。また陸上自衛隊の駐屯地で演習場がある。水稲サトイモ乳牛、肉用牛などの農業が中心であるが、東山工業団地には先端技術工場が進出している。那岐山、滝山などの山麓一帯は横仙(よこせん)筋、横山地方とよばれ、この地方に伝わる横仙歌舞伎(かぶき)は上方(かみがた)文化の流れを受けて美作(みまさか)独特の発達をした地下(じげ)芝居で、県指定重要無形民俗文化財。面積は69.52平方キロメートル、人口5578(2020)。

[由比浜省吾]

『『奈義町誌』(1980・奈義町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「奈義」の意味・わかりやすい解説

奈義[町] (なぎ)

岡山県北東部,勝田郡の町。人口6085(2010)。中国山地の主峰那岐山南麓に位置し,鳥取県に隣接する。東西に断層が走り,その南に日本原などの第三紀層の丘陵津山盆地北東端の平たん地が分布する。農業が基幹産業で,米・麦作を中心に,野菜,果物タバコの産が多く,酪農も盛んである。南西部の日本原はハイキングの好適地で,陸上自衛隊駐屯地もある。那岐山麓の菩提寺は行基の開基といわれ,法然が修行した寺として著名。境内にある大イチョウは天然記念物。国道53号線が通じる。
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百科事典マイペディア 「奈義」の意味・わかりやすい解説

奈義[町]【なぎ】

岡山県北東部,勝田郡の町。津山盆地の一部と北部山地を占め,主集落は豊沢。米・麦作のほか野菜・果樹・タバコ栽培,乳牛飼育を行う。那岐(なぎ)山南麓の原野日本原では明治初期以来養蚕,牧畜が試みられたが水利が悪く失敗。近年工業団地が造成され,半導体製造などの工場が進出している。局地風の広戸風(ひろとかぜ)が吹く。菩提寺のイチョウ(天然記念物)がある。69.52km2。6085人(2010)。

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