日震学(読み)ニッシンガク

デジタル大辞泉 「日震学」の意味・読み・例文・類語

にっしん‐がく【日震学】

日震とよばれる太陽表面に生じる振動現象を観測することで、太陽の内部構造や物理状態を研究する学問。現在までに、太陽内部の対流層の厚さ、内部の角速度分布などが明らかになった。陽震学

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百科事典マイペディア 「日震学」の意味・わかりやすい解説

日震学【にっしんがく】

太陽の振動を利用して太陽の内部の構造を探る太陽物理学の一分野。太陽はさまざまなモードで振動(太陽振動)しており,この振動を解析することで,ちょうど地震波を使って地球の内部の構造を調べるのと同じように,太陽の内部についての情報を得ることができるのでこの名がある。太陽の自転性質,内部の温度分布などが明らかにされており,また太陽振動についても,太陽活動の活発なときには周期がわずかながら短くなること,黒点内側では振動の振幅が小さいことなどが見出されている。なお同じように,太陽以外の一般の恒星固有振動を利用してその内部の構造を研究する分野は星震学と呼ばれている。

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知恵蔵 「日震学」の解説

日震学

太陽や恒星の振動による光度変化を精密に解析することにより、恒星の内部の構造を診断する学問。陽震学ともいわれる。地震波の解析から地球の内部構造を知るのと同じ原理。太陽の場合、5分周期の振動が観測され、その解析から直接見ることのできない太陽の内部の構造が調べられている。太陽の場合が日震学、恒星の場合が星震学。

(土佐誠 東北大学教授 / 2008年)

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