日本歴史地名大系 「旧下ヨイチ運上家跡」の解説
旧下ヨイチ運上家跡
きゆうしもよいちうんじようやあと
余市川河口部の左岸側にある近世の場所運上家跡。国指定重要文化財で、一帯は国指定史跡。下ヨイチ場所の運上家は一七八〇年代に天満屋が場所請負人になった時代に建てられたという。「蝦夷巡覧筆記」に「下ヨイチ運上屋有リ」とみえる。一八四六年(弘化三年)請負人の竹屋林長左衛門(三代)は運上家の建替を出願、五三年(嘉永六年)に普請がなっている。五四年(安政元年)に増築。その構えは梁間八間・桁間二二間(ただし柾屋根)の一棟建で、「上手落棟座敷・表一座敷・表二座敷・玄関・物置部屋・帳場・番人稼方居間・雑居間・入口・船主居間・雑部屋」があり、ほかに制札場、弁天社・板蔵八棟・雑板蔵二棟・煎海鼠蔵一棟が併置されていた(安政二年「ヨイチ場所引渡制札場運上家蔵々建家ケ所書」林家文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報