明台寺(読み)みよういだいじ

日本歴史地名大系 「明台寺」の解説

明台寺
みよういだいじ

[現在地名]墨俣町墨俣 寺町

境内に観音堂・地蔵堂がある。清光山と号し、浄土宗西山禅林寺派。本尊阿弥陀如来。興教大師の開基で初め真言宗であったが、明応年間(一四九二―一五〇一)中興の祖とされる興澄清巴は寺地西橋にしはし村から現在地に移し、本堂を再建して浄土宗立政りゆうしよう(現岐阜市)末となったという。慶長一五年(一六一〇)の西橋村検地帳(奥田文書)に明大寺とみえる。地蔵堂に橋杭笑地蔵尊がある。「濃州徇行記」や「ひそめ草」によると、かつて墨俣川に西ノ橋・東ノ橋・中ノ橋があったが失われ、あるとき砂中が金色に輝いていたので里人が掘ったところ、朽ちた橋柱が地蔵となったものが現れたため、一宇を設けて安置した。その後、天慶年間(九三八―九四七)関東下向の勅使がこの地に立寄った際、この像をみて「朽残る真砂の下の橋柱又道かへて人わたすなり」と詠んだが、歌を聞いて像が笑ったため、笑地蔵尊と称されるようになったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android