日本大百科全書(ニッポニカ) 「明治屋」の意味・わかりやすい解説
明治屋(株)
めいじや
食品総合卸売業の大手。日本郵船のシップチャンドラー(船舶用物資を取り扱う事業)として1885年(明治18)横浜に創業。当初から食料品の直輸入、卸売り・小売りも兼業した。1888年、当時ジャパン・ブリュワリー社が製造していた「キリンビール」の一手販売権を取得。1907年ブリュワリー社を買収、当時の社長米井源次郎らが発起人となり麒麟麦酒(キリンビール)株式会社を設立。ほかに「三ツ矢サイダー」「森永チョコレート」などの開発販売を手がける。1911年(明治44)株式会社に改組、輸入品とともに「小岩井バター」、清酒「月桂冠(げっけいかん)」なども一手販売して業務拡大、第二次世界大戦後は占領軍家族向け日用品店O.S.Sでいち早く復興を遂げ、「MY」「MEIDI‐YA」の2種類のブランド商品、レストラン中央亭、高級スーパーマーケットの明治屋ストアー、パンとデリカテッセン(洋風惣菜)の店デリベイクへと事業を拡大している。1989年(平成1)フランスのワインメーカーであるJ.J.(ジュジュ)モルチェ社を買収。2004年には三菱商事、食品卸会社5社共同出資の会社、アライアンス・ネットワークへ資本参加した。資本金2億7000万円(2007)、売上高312億円(2007)。
[田付茉莉子]
『明治屋創業一〇〇年史編纂委員会編『明治屋百年史』(1987・明治屋)』