海運大手3社の一角。三菱グループの源流の一つで1885年に創業した。国際的な海上物流事業や客船事業、ターミナル関連事業などを手掛ける。2016年3月期連結決算は売上高が前期比5・4%減の2兆2723億円、純利益が61・7%減の182億円だった。今年3月末の従業員数は約3万4千人、運航船舶数は782隻。
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海運のトップ企業。岩崎弥太郎(やたろう)設立の郵便汽船三菱(みつびし)会社と、共同運輸会社とが合併し1885年(明治18)設立された。政府の特許会社として補助金を受け、1893年にはボンベイ航路、1896年欧州、北米、豪州(ごうしゅう)各航路を開設して日本海運の遠洋進出の先駆けをなした。いわゆる「社船」三社(日本郵船・大阪商船・東洋汽船)のうちでも別格の外航定期船会社として成長するが、第一次世界大戦後は大阪商船に急追される。1923年(大正12)近海郵船を設立、1926年東洋汽船の外航部門を買収した。1941年(昭和16)には133隻86万総トンを保有し世界最大の船主となったが、1942年船舶運営会に全船舶の運航をゆだねたうえ、第二次世界大戦終戦時までにほとんど全船舶を失う。
1950年(昭和25)民営還元後、世界的定期航路網を回復するが船隊再建の負担は大きく、1964年、海運集約によって累積債務を整理するとともに、三菱商事船舶部から1943年独立した三菱汽船の後身三菱海運を吸収合併した。その後、定期航路網を積極的に拡大するとともに不定期船・タンカー部門を拡充、1955年には郵船航空サービスを設立して国際一貫輸送体制を強化。さらに1968年日本船の先陣を切って、コンテナ輸送に進出している。支配船腹777隻5053万重量トン。資本金885億円(2008)、売上高2兆5846億円(2008。連結ベース)。
[田付茉莉子]
『日本郵船株式会社編・刊『日本郵船七十年史』(1956)』▽『林芳典著『二引の旗の下に』(1985・日本郵船株式会社)』▽『日本経営史研究所編『日本郵船株式会社百年史』『日本郵船株式会社百年史 資料』(1988・日本郵船)』▽『日本郵船株式会社社史編纂室編『日本郵船社史――創立100周年からの20年』(2007・日本郵船)』
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日本で最も古い歴史をもつ海運会社の一つ。正しくは〈にっぽんゆうせん〉。1885年(明治18)9月29日,郵便汽船三菱会社と共同運輸会社が合併,創設されて以来,政府の手厚い保護のもとに一貫して日本海運の中心をなし,また世界海運においても代表的な船会社としてその地位を維持してきた。第2次大戦により壊滅的被害を受けたが,鋭意再建に努め,また1964年4月1日には,海運業の再建整備計画に基づく集約により三菱海運を合併し,これ以降も着実な拡大発展をたどっている。長い伝統のもとに築き上げてきた確固たる営業基盤に基づき,世界を網羅した定期航路経営を特色としているが,同社はこの定期船部門を主力としながらも,各種専用船,兼用船および多目的船も多数保有し,バランスのとれた総合経営を行っている。この経営多角化,いいかえれば総合経営が,海運市況の変動から受ける影響を最小限に食い止め,同社の経営基盤を安定させている主要な基礎の一つになっている。資本金は885億円(2005年9月),売上高1兆6061億円(2005年3月期)。保有船舶は212隻,1203万総トン(2004)。
執筆者:織田 政夫
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…81年から三菱征伐の動きが強まり,長州閥や三井系が82年共同運輸会社を設立,三菱会社との間に共倒れに近い競争がつづいた。この間に彼は病死し,弟の弥之助(1851‐1908)が2代社長となり,85年政府の勧告により両社は合同し日本郵船会社が誕生した。なお,海運部門を引き渡した後の三菱会社は,高島炭鉱や長崎造船所などを中心に,海から陸へ転進した。…
…三菱もまた台湾出兵,西南戦争における軍事輸送に活躍し,さらにアメリカのパシフィック・メール社,イギリスのP&O社の競争を退けて横浜~上海航路を開設,日本の大型汽船の約2/3を手中に収めた。この三菱の独占には社会の批判が高まり,1883年政府は,東京風帆船会社など3社の合併によって成立した共同運輸会社に出資し,同社は横浜~神戸間航路で三菱と激しい競争を展開したが,85年政府は両社の合併を斡旋し,日本郵船会社(所有船腹6.5万総トン。現,日本郵船)が成立した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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