昔とった杵柄(読み)むかしとったきねづか

精選版 日本国語大辞典 「昔とった杵柄」の意味・読み・例文・類語

むかし【昔】 とった杵柄(きねづか)

  1. 過去に鍛えた腕前。昔、修練して腕におぼえのある技量
    1. [初出の実例]「むかしとったるきねづかでとしわすれ」(出典:雑俳・柳多留‐二一(1786))
    2. 「有漏覚えの舞の手振、又は綱渡り籠抜けなんど、古(ムカ)し取(トッ)たる杵塚(キネヅカ)の」(出典こがね丸(1891)〈巖谷小波〉七回)

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ことわざを知る辞典 「昔とった杵柄」の解説

昔とった杵柄

しばらく遠ざかっているが、かつて修練して自信を持っている事柄のたとえ。年月を経ても腕に覚えのある技能などをたとえていう。

[使用例] さすがに昔取った杵柄で、腰がしゃんと極まって、少しの危なげもないばかりでなく、時々、あっと思うような離れ技を演ずる[谷崎潤一郎細雪|1943~48]

[解説] 「杵」は穀物うすに入れて木製道具で、「つか」はその手でもつ部分。昔よく手にした杵柄ということから、腕に覚えのある事柄に比喩的な意味が広がり、さまざまなことについて使われます。

英語〕There's many a good tune played on an old fiddle.(古びたバイオリン多くの美しい調べが奏でられる)

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