精選版 日本国語大辞典 「手振」の意味・読み・例文・類語
て‐ぶり【手振】
〘名〙 (「てふり」とも)
① 手を振ること。手を動かす様子。手のしぐさ。手つき。
※六条修理大夫集(1123頃)「霞立つくらまの山のうず桜てふりをしてなをりぞわづらふ」
② つき従う者。ともびと。従者。
※延喜式(927)六「祓物〈略〉車副十四人。手振十人」
※蜻蛉(974頃)上「しもつかへ、てぶりなどがぐしいけば」
③ 手に何も持っていないこと。てぶら。からて。素手。手振棒。
④ 元手のないこと。無資本。無一文。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)三「商売に一精出し見んと、〈略〉手振(ブリ)でかかる事は、今の世の中に、取手の師匠か取揚婆々より外に銀(かね)に成物なし」
⑤ せり市などで、値段を呼びながら、手を振って客の注文を促すこと。また、その人。
⑧ ⇒てぶり(手風)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報