時雨れる(読み)シグレル

デジタル大辞泉 「時雨れる」の意味・読み・例文・類語

しぐ・れる【時雨れる】

[動ラ下一][文]しぐ・る[ラ下二]
時雨が降る。「夕方になって―・れた」 冬》「うしろすがたの―・れてゆくか/山頭火
涙を催す。涙を落とす。
「目も見えず涙の雨の―・るれば身の濡れ衣はひるよしもなし」〈後撰・恋五〉
[類語]ぱらつくちらつく降りしきるそぼ降る降りこめる降る降り募る降り込む降り籠められる降りみ降らずみ降り敷く降り積もる積もる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「時雨れる」の意味・読み・例文・類語

しぐ・れる【時雨】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]しぐ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 時雨が降る。また、晩秋から初冬にかけての、時々雨が降ったり、いまにも降りそうであったりする空模様にいう。
    1. [初出の実例]「しぐれつつもみづるよりもことのはの心の秋にあふぞわびしき〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・八二〇)
    2. 「あしたのほと時雨る」(出典:御湯殿上日記‐長享元年(1487)一〇月二二日)
  3. ( 比喩的に ) 涙ぐむ。落涙する。
    1. [初出の実例]「君によりしぐるる袖のふかき色を折れるもみぢと里人やみむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)

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