曽我廼家五九郎(読み)そがのやごくろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽我廼家五九郎」の意味・わかりやすい解説

曽我廼家五九郎
そがのやごくろう
(1876―1940)

喜劇俳優。本名武智故平。徳島県に生まれる。最初、自由民権運動に共鳴して板垣退助(たいすけ)の玄関番となる。のち福井茂兵衛、角藤定憲(すどうさだのり)の各一座などを経て1907年(明治40)曽我廼家劇に入り五九郎を名のったが、3か月にして独立して明治末年東京・浅草進出、社会性や風俗描写に富んだ新機軸の喜劇を上演して人気を集め、浅草の喜劇王となった。また昭和初期には丸の内山の手にも足を伸ばした。『のんきな父さん』が当り役。数々の奇行でも知られた。

[向井爽也]

『丸山賀世子著『浅草喜劇事始――小説・曽我廼家五九郎まわり舞台』(1979・講談社)』

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