月並・月次(読み)つきなみ

大辞林 第三版の解説

つきなみ【月並・月次】

( 名 )
毎月。月ごと。また、毎月決まって行うこと。 「 -の歌会」 「 -の休日やすみび/滑稽本・浮世風呂
「月並俳諧」「月並俳句」の略。
「月次の祭」の略。
一二か月の順序。月の移り変わり。多く「波」の意をかけて歌語で用いる。 「秋暮るる-わくる山賤やまがつの/山家
( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
の意から〕 非常にありふれていること。平凡なこと。また、そのさま。 「 -の話」 「 -な意見」 「主人は無論、迷亭先生も『御安くないね』抔といふ-は云はず/吾輩は猫である 漱石

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精選版 日本国語大辞典の解説

つき‐なみ【月並・月次】

〘名〙
① 毎月。月ごと。また、月ごとにあること。月に一度ずつあること。
※観智院本名義抄(1241)「月次 ツキナミ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「月並(ツキナミ)の休日(やすみび)静謐(せいひつ)にして」
※続日本紀‐太宝二年(702)七月癸酉「在山背国乙訓郡火雷神、毎旱祈雨、頻有徴験、宜大幣及月次幣例
③ 月ごとに催される和歌や連歌・俳諧などの会合。つきなみの会。
※看聞御記‐応永二六年(1419)三月晦「俄連歌令張行、月次興行、今日先予為当番始之」
※随筆・戴恩記(1644頃)下「月次に出よとて殊外の芳恩を蒙りき」
④ つきやく。月経。
※雑俳・ぎんかなめ(1729)「月なみがちらりと有って花あやめ」
⑤ 江戸時代、朔日丸(ついたちがん)のような避妊薬のことをいう。
※俳諧・武玉川(1750‐76)六「月並の丸薬呑で衣がへ」
※十たび歌よみに与ふる書(1898)〈正岡子規〉「俳句の観を改めたるも月並連に構はず思ふ通りを述べたる結果に外ならず候」
⑦ (形動) (⑥から転じて) 平凡で新鮮みのないこと。とりたてて変わった点のないこと。常套陳腐なこと。また、そのさまや、そのような物事。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「そんな月並を食ひにわざわざここ迄来やしないと仰しゃるんで」
※無名作家の日記(1918)〈菊池寛〉「月並の文句ばかりだ」
⑧ (「なみ」に「波」をかけ、歌語として用いられる) 一二か月の順序。月の次第。月の移りかわり。
※拾遺(1005‐07頃か)秋・一七一「水のおもに照る月浪を数ふれば今宵ぞ秋のもなかなりける〈源順〉」

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