デジタル大辞泉
「有機EL」の意味・読み・例文・類語
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有機EL
EL は Electro-Luminescence (エレクトロルミネッセンス) の略。ルミネッセンスとは、なんらかのエネルギーを得ることで特定の波長の光を放出する現象を指す。有機ELでは、有機物のその発光現象を、有機化合物を使って電気的に行う。具体的には、+と-の電極にはさまれた発光層 (有機化合物) が電流によって励起され、元の基底状態に戻る時のエネルギー差で光を発生する仕組み。 特長は、厚さをとことん薄くできること、液晶に比べ格段に高いコントラストによる画質の美しさ。はじめにポータブルオーディオのディスプレイに採用され、その後、ソニーがテレビに採用し話題を呼んだ。照明への実用化も目前だ。 デジタルカメラでは、韓国サムスンがいち早く商品化。国産ではニコンがコンパクトデジタルカメラの COOLPIX S70 (平成21年9月発売) のタッチパネル式背面液晶モニターに採用した (右写真)。
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有機EL
有機化合物に電圧を加えると、熱をほとんど出さずに発光する現象のこと。多くのメーカーによってディスプレイや電子ペーパーへの応用が進行している。既に携帯電話やカーオーディオのディスプレイなどで実用化されており、今後は大型ディスプレイでの利用が課題。有機ELは従来の液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイに比べて以下のようなメリットがあるされている。(1)自ら発光するため、液晶と異なりバックライトが不要で、映像を鮮明に表示できる、(2)安価なガラスや曲げることが可能なプラスチックなどを基盤として使用でき、極薄で折り曲げも可能、(3)低電力消費で長寿命。特に、折り曲げが可能であることから、電子ペーパーに用いる技術の有力候補として期待されている。
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知恵蔵
「有機EL」の解説
有機EL
熱をほとんど出さずに、電気を光に変える現象を利用した発光素子。発光層に利用される有機分子は、主に低分子と高分子の2つに大別できる。有機層全体は数百nm(n〈ナノ〉は10億分の1)以下と、非常に薄いことが特徴。液晶ディスプレーとの根本的な違いは、自らが発光する自己発光素子である点。色純度の高い三原色の材料の開発も進み、バックライト、カラーフィルター(液晶)が不要なので薄くでき、消費電力も抑えられる。高分子ではインクジェット印刷の技術が応用でき、高精細な大型有機ELパネルの製造が可能となりつつある。軟らかいプラスチック上に有機EL素子を並べれば、紙のように薄く曲げられる表示装置にすることも可能。
有機EL
電圧を加えると発光する有機半導体を用いた発光素子。有機発光ダイオードともいう。有機ELディスプレーは液晶に比べ、高輝度、高コントラスト、広視野角などの利点がある。応答速度も液晶と比べて非常に速く、マイクロ秒(100万分の1秒)程度になる。発光体を使用しているため、薄い構造で、かつ暗い所でも明るく鮮明に見える。超薄型フレキシブル・ディスプレーや、ユビキタス社会では不可欠な透明のタグ・ラベル(無線ICタグ参照)への応用が、重要視されている。
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