朝する(読み)チョウスル

デジタル大辞泉 「朝する」の意味・読み・例文・類語

ちょう・する〔テウする〕【朝する】

[動サ変][文]てう・す[サ変]
向かっていく。達する。
「大声天に―・する如き勢を以て」〈百閒百鬼園随筆
朝廷に出仕する。参内さんだいする。
天下の士を―・せしめんずる処を」〈太平記・三〉
朝廷に貢物をする。朝貢する。
「斉、楚、秦、趙も悉く―・せずと云ふ事あるべからず」〈太平記・四〉
川が海へ流れ入る。朝宗する。
浦曲より巨海に―・する咽喉のどくびたり」〈読・八犬伝・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「朝する」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐・するテウ‥【朝】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]てう・す 〘 自動詞 サ行変 〙
  2. 朝廷に行き、拝謁する。朝廷に出仕する。参内(さんだい)する。
    1. [初出の実例]「近日才卿無朝、通親等称可弾指」(出典:玉葉和歌集‐文治二年(1186)二月九日)
  3. 朝廷に、みつぎものをする。天子にまみえ、品物を献上する。朝貢する。
    1. [初出の実例]「然らば君王呉越両国を并するのみに非ず、斉・楚・秦・趙も悉く朝(テウ)せずと云事有べからず」(出典:太平記(14C後)四)
  4. 川の水が海に流れ注ぐ。海に流れ入る。朝宗する。
    1. [初出の実例]「上承紫宸長拱宿、下送蒼海永朝潮」(出典:文華秀麗集(818)下・河陽橋〈仲雄王〉)
  5. 向かう。向かって行く。また、いたりつく。行きつく。達する。
    1. [初出の実例]「家家歳旦祝唐堯、寿酒春濃酌幾瓢、自笑山林難俗、瓦甌瀹茗荅年朝」(出典:空華集(1359‐68頃)三・甲寅歳旦示衆)
    2. 「大小の煙突、参差として天に朝し」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)

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