朝日方(読み)あさひのかた

朝日日本歴史人物事典 「朝日方」の解説

朝日方

没年:天正18(1590)
生年:天文12(1543)
戦国時代の女性,豊臣秀吉の異父妹。父は筑阿弥,母は天瑞院(大政所)。朝日姫,駿河御前とも。天正12(1584)年の小牧長久手の戦ののち,徳川家康秀吉の上洛要請に応じなかったため,佐治日向守(副田吉成か)の妻であった朝日方は,秀吉の命で同14年家康に嫁した。佐治は天下のためとの名目を受け容れ離婚に応じたが,禄500石の代償を肯んぜず,自殺(あるいは隠居)したという。秀吉はさらに,朝日方への面会を理由に生母大政所を人質として家康方に送っている。これにより家康はついに上洛し,秀吉の臣下に列した。秀吉は政略上身内の女性を盛んに利用したが,その代表格が朝日方である。

(田端泰子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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