このは‐ざる【木葉猿】
〘名〙
①
樹上を身軽に伝う猿。または、木の葉の間に見え隠れする猿の意か。
一説に、さわがしい猿とも。
※永久百首(1116)雑「あし引の山べにあそぶ木のは猿思ふ心ぞありて啼なる〈
常陸〉」
② 木の葉の落ちるのを猿の身軽にとびまわるさまにたとえていう語。
※狂歌・玉吟抄(1608)「神無月坂本あたり来てみれば
ちりちりになる木の葉猿かな」
③ 熊本県玉名郡玉東町木葉の
名物である土製または
素焼きの猿の
玩具。猿が子を抱いたもの、馬に乗ったものなどがある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
木葉猿[人形・玩具]
このはざる
九州・沖縄地方、熊本県の地域ブランド。
玉名郡玉東町で製作されている。素焼きの素朴さととぼけた表情が味わいのある玩具。型を使わず指先だけで粘土をひねってつくられる。もともとは無彩であったが、彩色したものもある。三匹猿・子抱猿・飯喰猿など10種類位あり、悪病・災難除け・子孫繁栄などのお守りとして用いられている。江戸時代、木葉の里は薩摩藩の参勤交代の道中にあったため、木葉猿は土産品として広く愛玩されていた。熊本県伝統工芸品。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報