木野崎村(読み)きのさきむら

日本歴史地名大系 「木野崎村」の解説

木野崎村
きのさきむら

[現在地名]野田市木野崎

さん村の北、利根川右岸に位置し、同川は当村の東方で大きく蛇行する。本郷のほかに北に下町したちよう、西に新町しんまちなどがあり、近世には河岸場(木野崎河岸)が置かれていた。久安二年(一一四六)八月一〇日の平常胤寄進状写(櫟木文書)で常胤が伊勢神宮に寄進した相馬そうま郡内の地は「下川辺境并木崎廻谷」を西境としていたが、この木崎を当地のこととする説もある。地内の真言宗豊山派遍照へんじよう院には宝徳三年(一四五一)などの武蔵型板碑がある。下町の木野崎城は古河公方足利氏の家臣で、のちに当村を知行した旗本一色氏の居城であったという。城山屋号とする当地青木家の屋敷内には山城大権現と刻む石塔があり、この石塔銘などによると、青木氏は天正一八年(一五九〇)下総幸手さつてから木野崎城に移った一色義直の末という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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