出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…〈人間に似たもの〉の意から転じて,SFでは人間そっくりに作られたロボットを指す語。最初にこの言葉が使われたビリエ・ド・リラダン《未来のイブ》(1886)に登場するのはアダリーという精密な機械仕掛けの美女アンドロイドだが,金属製の労働ロボットと区別して有機的合成人間をアンドロイドと呼ぶ向きもあり,定義は明確でない。F.ラングの映画化で有名な《メトロポリス》をはじめ,現代社会の高度の合理性と柔軟な人間性との両立に起因する矛盾と悲劇性をアンドロイドに託した作品が多い。…
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【映画ということばをめぐって】
映画の前身である〈回転のぞき絵〉の一つ,ゾーエトロープがイギリスで1830年代に発明され,60年代に科学玩具として欧米で売り出されたときの宣伝文句が〈Spin the drum to see the picture move(円筒を回転させると絵が動いて見えます)〉であった。ここから〈動く絵〉を意味する〈ムービング・ピクチャーmoving picture〉,あるいは〈モーション・ピクチャーmotion picture〉という呼称が生まれ,やがて映画を意味することばになったといわれる。…
…こうして彼は,孤高の瞑想のうちに幻こそ現実と信じて壮麗な夢想に遊び,この世の現実を冷笑する。練り上げられた輝かしい文体による短編小説集《残酷物語Contes cruels》(1883),長編《未来のイブL’Ève future》(1886)などは,俗物を嘲弄し,芸術と霊的なるものの至高権を主張しつつ,この世に居場所のない流謫者の憂愁をのぞかせる作品だが,マラルメらごく少数の知己に高く評価されただけで,まったき窮乏のうちに死去した。【清水 徹】。…
…前出の《R.U.R.》のテーマはその延長線上にある。一風変わったところでは,ビリエ・ド・リラダンの《未来のイブ》(1886)が,機械美女アダリーを生んだエジソン(アメリカの発明王エジソンがそのモデル)の才能にことよせて科学技術の精華をひたすら詩的にうたいあげているのが興味深い。 20世紀に入って,科学技術の発展によりロボットの開発が現実的問題になりだす1940年代初頭には,I.アシモフが〈ロボット3原則〉を提示して,従来のロボットSFの抽象性と矛盾を払拭(ふつしよく)し,明快な論理をそこに据えた。…
※「未来のイブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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