本市村(読み)ほんいちむら

日本歴史地名大系 「本市村」の解説

本市村
ほんいちむら

[現在地名]三原市沼田東ぬたひがし町本市

荻路おぎろ村の対岸、鎌倉時代以来の干拓地に立地。中世沼田庄安直あじか郷に含まれ、沼田川南岸の自然堤防上には市場が成立し、沼田本市と称された。村名はこれによる。安芸国豊田郡に属し、元和五年(一六一九)の安芸国知行帳では三五三三・八八六石の阿鹿あじか村に含まれる。阿鹿村は安直郷を引継ぎ、慶長五年(一六〇〇)検地を実施、同年二月と四月付の打渡坪付(多田家文書)が残る。


本市村
もといちむら

[現在地名]門前町本市

深田ふかだ村の東、はつヶ川中流南岸の平地に立地。上野うわの台地と本市神社裏台地で縄文遺跡、五世紀頃の方墳二基が発見されている。穴水あなみず(現穴水町)や輪島方面へ通ずる交通の要地で、市が開かれていたことにより生じた地名であろう。天正年間(一五七三―九二)の一〇月五日付三輪吉宗書下(道下村文書)に「壱尺 もと市うち」とみえ、前田利家から八ヶ川の鮭役を賦課されていた。正保郷帳では高三五六石余、田方一八町二反余・畑方五町四反余。承応三年(一六五四)の村御印の高三五七石余、免四ツ三歩(能登奥両郡収納帳)。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の高三八一石余、免五ツ一歩、小物成は山役一三〇目・苦竹役一匁、鳥役二匁(出来)、漆役二匁・蝋役一匁(三箇国高物成帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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