本座(読み)ホンザ

デジタル大辞泉 「本座」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ざ【本座】

もとからの座席。すわるべき本来場所
大臣納言参議などが辞任後も前官礼遇を得たこと。
田楽猿楽で、新しく成立した新座に対して、もとからあった座。

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精選版 日本国語大辞典 「本座」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ざ【本座】

〘名〙
① もともとの座席。すわるべき本来の場所。
皇太神宮儀式帳(804)「畢時には返就本座
② 納言または参議などを辞任した後、前官の礼遇を賜わって与えられるその身分相応の座席または地位
吾妻鏡‐建久三年(1192)一二月一一日「縦雖出家之儀、如元令本座
中世近世における座で、新しく起こった座に対するもとの座。
(イ) もともと朝廷寺社などの保護を受け、特定の商品の生産・販売の独占権をもっていた同業者の集団。
※上杉家文書‐宝徳二年(1450)四月二九日・将軍家御教書案「可専本座商業之由、所被仰下也」
(ロ) 田楽・猿楽などの芸能人の集団で、新しく分派を起こした新座に対して、もともとの座をいう。
※新札往来(1367)上「新座・本座之田楽」

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