デジタル大辞泉
「本証」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ほん‐しょう【本証】
- 〘 名詞 〙
- ① 仏語。本来得られている仏のさとり。本質的に、仏そのものであること。
- [初出の実例]「初心の弁道、すなはち本証の全体なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
- ② 証拠とすべき書籍。証本。
- [初出の実例]「法華経点之事被レ督也。以二嵯峨本一為二本証一之由披二露之一」(出典:蔭凉軒日録‐長祿四年(1460)八月三日)
- ③ 正しい証拠。
- [初出の実例]「玄宗の事なれば玄宗本紀を出処に引が本証也」(出典:随筆・槐記‐享保一〇年(1725)一〇月二〇日)
- ④ 裁判で立証責任を負う当事者が提出する証拠。反証に対するもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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本証
ほんしょう
一方の当事者が、自分側で立証責任を負担している事実を証明するために提出する証拠をいう。立証責任を負担している事実の存否については、裁判官に対して確信を抱かせる程度の心証形成が必要であり、その程度までに達しないときは、立証責任の負担の原則によって自分に不利益に判断されることを覚悟しなければならない。本証・反証の区別は、その提出者に立証責任があるか否かによるのであり、原告・被告の地位によって決まるのではない。
[内田武吉]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の本証の言及
【証拠】より
…間接証拠によって証明された事実(いわゆる間接事実)は,要証事実を推認する根拠となる。(3)証拠調べが終了したにもかかわらず,要証事実の存否が確定されない場合に,不利益な認定を受ける当事者の地位を指して,挙証責任というが,民事訴訟では,挙証責任を負う者が提出する証拠を本証といい,その相手方が提出する証拠を反証という。刑事訴訟では,挙証責任は原則としてすべて検察官が負うのであり,そこでは反証とは,本証に対するものとしてではなく,むしろ,挙証責任の有無とは無関係に相手方の証拠の証明力を争うために提出する証拠を指す。…
【推定】より
…たとえば,A女がB男と婚姻中に懐胎した場合には,その子が当然B男の子であると推定される(民法772条1項)。その結果,B男が自分の子でないとして嫡出否認の訴えを起こした場合,B男は,単にC男とも関係があったと証明しただけでは足りず,B男の子でないことを完全に証明(本証)しなければならないので,[証明責任]が転換されたことになる。法律上の推定にはそのほか,[占有]の始めと終りを証明することによって,その間占有が継続したものと推定する規定(186条2項)があるが,間断なく占有を継続してきたという立証はきわめて困難なので,これを軽減するためにある。…
※「本証」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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