日本のプロ野球球団。パシフィック・リーグ(パ・リーグ)所属。欧文表記はTohoku Rakuten Golden Eagles。フランチャイズを宮城県に置き、クリネックススタジアム宮城を本拠地としている。2005年(平成17)シーズンより新規参入。
2004年(平成16)6月、オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの球団合併案が進行中であることが表面化した。これに端を発してプロ野球リーグ再編の動きが顕著になり、プロ野球選手会が猛烈に反発、同年9月18日に日本プロ野球史上初のストライキが決行されるなど、球界は大混乱に陥った。労使交渉で妥結を目ざすうえでの大きなポイントとなったのは、現状の各6球団での2リーグ制存続か、球団数を減らして1リーグ制とするのか、どちらの方向を選択するかということであった。結果は、選手会が主張した2リーグ制存続が受け入れられた。そこで、オリックスと近鉄の合併による球団減を補う形で新規参入球団を受け入れることとなった。まず立候補したのは、大阪近鉄バファローズ存続のため球団買収に名のりをあげながら承認されなかったIT関連企業ライブドア。それに続くかたちで同業の楽天も立候補した。プロ野球実行委員会、オーナー会議を経て04年11月2日、楽天の新規加盟が承認され、東北地方や日本アルプスなどを中心に生息するイヌワシの英名をチーム名とし、宮城県営宮城野球場を改修して本拠地とするプロ野球球団が誕生することになった。
初代監督に田尾安志(たおやすし)(1954― )、ゼネラル・マネージャーにスポーツジャーナリストのマーティー・キーナートMarty Kuehnert(1946― )を迎え、合併球団オリックス・バファローズのプロテクト枠から外れた選手を振り分ける分配ドラフトで得た選手や、他球団で戦力外となった選手などでチームを構成した。さらにドラフトでは一場靖弘(いちばやすひろ)(1982― )投手を自由獲得枠で指名し、また、合併球団にプロテクトされながら入団を拒否していた元大阪近鉄バファローズのエース岩隈久志(いわくまひさし)(1981― )投手も金銭トレードで獲得するなど、できる限りの戦力を集めて1年目のシーズンに備えた。
[山下 健]
パ・リーグ参入初年の2005年はチームとして機能せず、38勝97敗1分けと大きく負け越して最下位。勝率はわずかに2割8分1厘であった。シーズン終了後、1年で田尾監督が解任され、2006年には名将野村克也(かつや)が監督に就任。しかし、創設2年目の若いチームとあって苦戦を強いられ、2年連続最下位でシーズンを終えた。2007年は、勝率4割7分2厘で4位。
2007年までの通算成績は、152勝257敗7分け。
[編集部]
(フリーランスライター 葛西奈津子 / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
(2013-9-30)
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