南風原(読み)はえばる

改訂新版 世界大百科事典 「南風原」の意味・わかりやすい解説

南風原[町] (はえばる)

沖縄県島尻郡の町。1980年町制。人口3万5244(2010)。沖縄島(本島)南部,那覇市に接し,海には面しない。町域全体が起伏のある丘陵地で北部は台地となって首里に続き,国場川とその支流に沿った沖積地は肥沃な土壌で,琉球王府時代には首里三平等(みひら)のうちの南風平等(はえのひら)に属し,王府の直轄地であった。古くは稲作,近世末期にはサツマイモ中心の農村であった。現在はサトウキビのほか,都市近郊農業として野菜,花卉栽培が行われる。本部(もとぶ),照屋(てるや),喜屋武(きやん)地区は琉球絣の産地として知られる。近年は那覇市のベッドタウンとして,宅地化が著しく進んでいる。太平洋戦争末期,喜屋武には日本軍の野戦病院壕があった。沖縄自動車道のインターチェンジがある。
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