松木与三左衛門(読み)まつきよざえもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松木与三左衛門」の意味・わかりやすい解説

松木与三左衛門
まつきよざえもん
(?―1570)

戦国時代の豪商。分家の矢入(やいり)家に伝わる「矢入系図」によれば、出自は藤原北家(ほっけ)とされ、宗綱(むねつな)の子で生年は不明、童名は岩丸、室は小浜民部少(おばまみんぶのしょう)の娘とある。友野氏とともに駿河(するが)(静岡県)今宿(いまじゅく)における今川氏の御用商人で、とくに京都上下の御用を勤め、蔵役、酒役などの課役を免除され、また高利貸も行い、領主財政、家臣団の経済生活にも深くかかわっていた。今川氏滅亡後は、武田氏のもとで子の与左衛門宗清(むねきよ)が諸商買役(しょうばいやく)、船役などを免許され、御用商人として活躍。織田政権のもとでも美濃柾(みのまさ)の問職(といしき)を安堵(あんど)され、分家の矢入家は近世においても駿府(すんぷ)(静岡市)を中心に活躍した。元亀(げんき)元年10月6日没。法名は存誉浄圓。

[大久保俊昭]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松木与三左衛門」の解説

松木与三左衛門 まつき-よざえもん

?-1570 戦国-織豊時代の商人。
戦国大名今川氏の御用商人。松木家初代。駿河(するが)(静岡県)今宿(いまじゅく)で酒造業・高利貸をいとなみ,領主の財政にもつよい影響力をもった。同家は5代新左衛門のときが最盛期。元亀(げんき)元年10月6日死去。甲斐(かい)(山梨県)出身。名は宗義

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