松柳亭鶴枝(読み)ショウリュウテイ カクシ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「松柳亭鶴枝」の解説

松柳亭 鶴枝(2代目)
ショウリュウテイ カクシ


職業
落語家

本名
高橋 喜太郎

別名
前名=春麗亭 花雀,五明楼 福輔,三升亭 勝之助

生年月日
文久3年 5月13日

経歴
初め春麗亭柳花の門人で花雀と名乗り、のち3代目五明楼玉輔門に転じて言輔・春輔を経て、明治25年福輔と改める。次に三升亭小勝門で勝之助となり、33年頃3代目柳家小さんの門下で2代目松柳亭鶴枝を襲名した。初代が「生人形」と名づけて表情だけで似せたのに対し、種々の小道具扮装によって百面相を演じた。特に「蛸のゆであがり」は得意の演目で、風貌も蛸に似ていたところから「タコの鶴枝」と呼ばれた。一時期大道具や本火を使った芝居噺を演じたこともあったが、結局百面相に戻り終生つとめあげた。

没年月日
大正12年 4月1日 (1923年)


松柳亭 鶴枝(初代)
ショウリュウテイ カクシ


職業
落語家

本名
北川 藤吉

別名
前名=桜川 小芝

生年月日
弘化3年 7月

経歴
はじめ2代目春風亭柳枝の門人となったがすぐに廃業し、のちに桜川芝孝に入門、小芝と名乗る。さらに初代柳亭燕枝門下となって鶴枝と改める。片岡我童など人気俳優の顔まねや、「蛸のゆであがり」の身振りに「生人形」の名称をつけて人気を得た。こうした芸を寄席高座に取り入れた元祖でもある。

没年月日
?


松柳亭 鶴枝(3代目)
ショウリュウテイ カクシ


職業
落語家

本名
尾藤 三五郎

生年月日
明治30年

経歴
大正2年頃に3代目柳家小さんに弟子入り。やがて2代目松柳亭鶴枝の門に転じ古松家鶴輔と名乗り、百面相の芸を継承。師が亡くなった翌年の13年、3代目鶴枝を襲名した。太平洋戦争中に引退した。

没年月日
昭和22年 3月6日 (1947年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松柳亭鶴枝の言及

【百面相】より

…嘉永(1848‐54)のころには百眼米吉なる者が,歯磨梅勢散の広告に応用して名高かった。明治に入って落語家初世松柳亭鶴枝が,〈百面相〉と名づけて,寄席芸として独立させた。2世鶴枝がこれを継ぎ,新くふうをこらした。…

※「松柳亭鶴枝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android