枕瀬村（読み）まくらせむら

日本歴史地名大系

枕瀬村
まくらせむら

• 島根県：鹿足郡
• 日原町
• 枕瀬村

[現在地名]日原町枕瀬

日原村の南、吉賀（よしが）川と津和野川が合流する位置にある。当地から下流を高津川という。集落は円（えん）ノ谷（たに）・東枕瀬・西枕瀬・新地（しんち）などにある。吉賀川をへだてて日原村と、津和野川をへだてて木口（このくち）村と境を接している。津和野奥筋往還は津和野川に沿って当村へ出て舟で日原村へ渡る。柿木（かきのき）村下須（しもす）から高津（現益田市）へ高津川を上下する高瀬舟の中継地でもある。交通・運輸の要衝であり、津和野藩枕瀬組二二ヵ村の代官所があり、枕瀬四ヵ村（野口村・枕瀬村・木口村・小直村）の庄屋がいた。慶長七年（一六〇二）の検地高八四石余（「亀井家領郷村高帳」日原町史）。寛永一四年（一六三七）の高九八石余、田四町一反余・畑九町六反余（「検地帳」同書）。明治四年（一八七一）の総高一三八石余・反別一七町五反余、家数五九（卒一・本百姓一二・庄屋下作三七・百姓下作七・寺一・医師一）・人数二五二、牛七、杵築社と小社一、庵、米蔵一、御立山二（高田山・高鉢山）、鉄砲一六、紙漉舟一二・高瀬船七、酒屋一・質屋一、高札場一（万手鑑）。江戸初期に枕瀬村の庄屋となった隠岐家の先祖は、隠岐系図（橘家蔵）によれば隠岐国の住人隠岐内膳正源清槻で、父子三人とともに弘安役に出陣した。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」